前例のない挑戦に
集結した
プロジェクトメンバー

本プロジェクトは、鎌倉市や消防署などの行政機関をはじめ、東京大学や横浜国立大学の専門家と連携し、官民学が一体となって進められました。前例のない挑戦の中、歴史的価値の保全と現代の安全性を両立させるという難題に立ち向かうべく、建築設計、構造設計、そして高度な文化財修復の技術を持つ施工のプロフェッショナルたちが「この素晴らしい三河屋本店の建物を後世に残したい」という想いの元に集結し、完成という一つの目標に向かって共に歩みを進めてまいりました。

歴史と想いを
託される

合資会社三河屋 女将 竹内 喜美代

建物と酒屋を残し、
新たな会場に

「規模は小さくなっても酒屋を続けながら、この建物をなんとか後世に残していきたい。建物の老朽化が進む中、補修や改修をどうすべきか。」と、生前主人とはよく話し合っていました。そんな折にDaiyuさんと出会い、私たちの切実な想いをお伝えしたのです。素晴らしい建物を生かしたまま未来へつなぐというご提案をいただき、「ぜひお願いしたい」とすべてを託しました。

8年という長い年月がかかりましたが、設計士の皆様が何度も鎌倉市と協議を重ね 、Daiyuさんも毎月のように足を運んで進捗や設計図を共有してくださったおかげで 、一度も不安に思うことはありませんでした。完成した三河屋本店を見て、こんなにも美しく生まれ変わったことに感動しております。完成を心待ちにしていた天国の主人も、新たな門出をきっと喜んで見守ってくれていると思います。

株式会社Daiyu 代表取締役

ブランドディレクター
宮腰 真里

三河屋本店のプロジェクトは、私にとって「可能性の塊」であり、強い「使命感」に突き動かされた挑戦でした。この素晴らしい建物を拝見した時、「ここを継承し、その価値を世の中に伝えていけるのは私たちしかいないのではないか」と直感しました。どんな状態や制約の中であっても、私たちであれば、この場所がお客様から愛される一生に一度の忘れられない会場になり、運営できるという確信があったからです。
これまで培ってきた経験や、過去に諦めざるを得なかった想いさえも全てスパイスに変え、本物を追求しています。この場所を残さなければならないと奔走してくださった方々の熱い想いと共に、この施設を成功へと導くことは、私たちにとっての大きな挑戦であり、これからも挑戦し続けなければならないというミッションでもあります。

株式会社Daiyu 取締役

プロジェクトマネージャー
鈴木 樹陽太

この8年間に及ぶプロジェクトを振り返ると、覚悟という言葉が残ります。
どんな状況になろうともやり遂げる覚悟、三河屋本店のご家族と交わした約束を守り抜く覚悟、そして、古き良きものを残し、この場所を未来へ向けて運営し続ける覚悟です。
日本の昔の建築には、現代の便利さとは異なり不便さがあるかもしれません。しかし、そこに手をかけ、工夫を凝らし、ソフト面でカバーしていくことが、日本建築や日本文化の良さだと信じています。私たちのこの挑戦は流れに逆行するものかもしれません。しかし、鎌倉 三河屋本店を通して、日本の素晴らしい古き良きものを未来へ残していく、その一つの希望になれたらと願っています。

株式会社アラキ+ササキアーキテクツ
代表取締役

設計士 荒木 源希

最初は、本当に最後まで形にできるのか確信が持てないところから始まりました。関係者の応援や「残したい」という三河屋さんやDaiyuさんの強い思いを受け、手探りで一つひとつ進める中で、この仕事は自分のライフワークだと気づかされました。現場は大変でしたが、関わった人の努力と建物そのものの力が重なり、素晴らしいチームが完成まで導いてくれたと感じています。完成した姿に、関わった時間の重みを感じています。

株式会社アラキ+ササキアーキテクツ

設計士 青木 昂志良

設計から完成まで約8年。審査や許可など難しい条件も多く、途中で本当に実現できるのかと思う場面もありましたが、粘り強く向き合えば道は開けると実感しました。文化財を博物館のようにただ保存するのではなく、その時々の使われ方やニーズに合わせて少しずつ変わり、生きた建物として未来につなげられたことを、とても大きな成果だと感じています。この経験は、今後の保存活用にもつながるものだと思います。

有限会社高橋建築工房 代表取締役

構造設計 高橋 政則

設計士さんから声をかけていただき、調査段階から関わりました。国の登録有形文化財であり鎌倉市の景観重要建築物でもある三河屋本店を、どう活用していくかを考え続けたプロジェクトでした。外観だけでなく建物の価値を守りながら再生する難しさがありましたが、専門家からの指摘や条件に妥協せず、文化財としての価値と新しい使われ方に正面から向き合えたことに大きな意味を感じています。

株式会社北茂紀建築構造事務所 代表取締役

構造設計 北 茂紀

文化財建物の耐震改修には多く携わってきましたが、民間の建物として活用するプロジェクトはあまりありませんでした。価値を残すことと安全性を確保することと同時に、建物の活用を確保することの両立が大きな課題でした。壁や鉄骨、ブレースなどを適材適所に計画し、補強が建物の魅力を損なわないよう細心の注意を払いました。見えない部分も含めて、安心して使える空間として再生できたことを嬉しく思います。

株式会社斉藤建設 代表取締役社長

建築工事 斉藤 正朗

当初は父から話を聞き、三河屋本店の建物をもう一度よみがえらせたいという思いを受け継ぎました。鎌倉では良い建物が少しずつ失われていく中、このプロジェクトが立ち上がったことに胸を打たれました。完成を迎えた姿を父にも見せたかったという思いがあります。これからも長く鎌倉に愛されるよう、メンテナンスにも関わっていきたいと思います。その責任を大切に引き継いでいきます。

株式会社斉藤建設 現場監督

建築工事 長谷川 明 

現場では、歴史を未来につなげるために、増築棟という新しい建物をつくることと、既存建物を維持するための補修や耐震補強に向き合いました。完成後には大きく目に見えなくなる部分も多い仕事ですが、その見えないところで建物を支えられたと思います。これから訪れる方々の時間や記憶につながる場所づくりに関われたことを嬉しく思います。見えない仕事が、建物のこれからを支えると感じています。

株式会社KEFI WORKS 現場監督

内装工事 渡邉 公平

大規模なプロジェクトに携わらせていただき、感慨深いです。石の蔵の内装では、古い石や木に、新しいスチールフレームやガラスをどう合わせるかが大きな課題でした。細かな取り合いまで何度も考え、既存の雰囲気を壊さず、これまでになかった表情をつくることを目指しました。難しい納まりも含めて全体をうまく整えられたことで、ここで多くの式や時間が重ねられていくことを心から嬉しく思います。

株式会社KEFI WORKS

内装工事 西銘 元基

定例会に参加するたび、建物の重要性や、デザインの奥にある仕組みを学ばせていただきました。元の三河屋本店を活かしながら、人の思いが積み重なった温かい空間をつくるプロジェクトに関われたことは、自分自身の成長にもつながる大きな経験でした。完成した空間に、関わった方々の思いが息づいていることを強く感じています。この経験を次の仕事にも生かしたいです。

満建築工房株式会社 代表取締役 

大工 川口 満

大工として大切にしたのは、先人の仕事へのリスペクトと、三河屋本店が重ねてきた歴史へのリスペクトです。古い建物の形や組手に向き合い、残すべきものを受け止めながら、自分たちの手でどこまで表現できるかを考え続けました。難しかったというより、その問いに応えられたかを意識し、三河屋本店にふさわしいよい形にできたと感じています。手を入れるほど責任の重さも感じました。

有限会社庭匠霧島 代表取締役社長

庭師 星 宏海

このプロジェクトでは、自分の役割を果たしながら、さまざまな職人や業者の皆さんと一緒に現場をつくり上げる喜びを感じました。歴史ある三河屋本店で仕事ができ、これまでとこれからを次へつなげていく一員になれたことを誇りに思います。自分の中でも最高傑作のお庭ができ、自信を持って残していってくださいと言える庭になりました。