鎌倉 三河屋本店オリジナルの肉割烹の開発秘話

こんにちは。鎌倉 三河屋本店の鈴木です。
本日は、鎌倉 三河屋本店がなぜ“肉割烹”というスタイルに挑戦したのか、その背景についてお伝えできればと思います。

なぜ、鎌倉 三河屋本店は
結婚式の料理に肉割烹を選んだのか
 

結婚式の料理といえばフレンチ。
かつては、それ自体が特別な体験でした。
けれど時代は変わり、フレンチ=特別という空気が薄れつつあるのを感じています。
むしろ、結婚式ってフレンチが定番だよねというお声も出てくるほど。

「一生に一度の晴れの日。もっと心が動くお料理を届けたい」
そんな想いが出発点でした。
ゲスト同士の会話を自然と後押しできる料理は何か。

そんなとき、代表の宮腰から「お肉を中心にした肉割烹を出したい」と提案がありました。
お肉は年齢や性別を問わず、多くの方が大好きな食材。
けれど、結婚式ではコースの前半でお腹がいっぱいになり、せっかくのメインのステーキを美味しく食べられない。
だから、女性でも年配の方でも「最初から美味しいお肉を味わってほしい」という理由でした。

そしてもう一つありました。
松竹梅で3コースを用意して、最初は価格の低いコースをご提案。
打ち合わせの中でランクアップを勧めるようなやり方ではなく、誠実に、正面からご案内したい。
鎌倉 三河屋本店が自信をもってお出しする料理ですと胸を張って言える1コースに限定する。
そうして誕生したのが、肉割烹。1コースのみというスタイルです。
 
おふたりの門出を祝うお料理が、ゲストにとっても幸福な時間であるように。
その願いを込めて、鎌倉 三河屋本店の肉割烹の開発が始まりました。

完成した鎌倉 三河屋本店の肉割烹

 

鎌倉 三河屋本店で提供したい肉割烹とは

肉割烹という言葉を聞いたとき、まず思い浮かんだことがありました。
それは約15年前、まだ「肉割烹」という料理が流行る前に、すべての料理にお肉を使ったコースを提供しているお店が京都にあると知り、伺ったときのことでした。

そこでは、
生肉のユッケを細く仕立てた、いわゆる“肉そうめん”。
牛タンやミノなど、部位ごとに調理方法を変えた前菜。
最後はステーキ、ごはん、しぐれ煮や香の物で締める構成。
すべてにお肉を使ったコースで、こんなにもお肉に広がりがあり、美味しいものなのかと、今でも鮮明に残っていました。

残念ながら、その店は閉店されてしまったようで再訪はできませんでした。
ただ、あの日の記憶が、鎌倉 三河屋本店の肉割烹を考えるきっかけになりました。

お肉を主役にした肉割烹を考える上でお肉の仕入れについても検討する

 
 
変化した肉割烹のスタイルと、
鎌倉 三河屋本店で提供したい方向性

今回、メニューを考えるにあたり、東京や関西の肉割烹のお店を数多く訪れました。
そこで感じたのは、現在の肉割烹は銘柄牛、かつ希少部位を中心にしたスタイルが主流になっているということ。
フィレやシャトーブリアンなど、価値の高い部位に重点を置き、希少なものを食べられる贅沢さを追求するお店が多い印象でした。
その世界観も勉強になるものでしたが、私たちが出したい料理の方向性とは違うことがはっきりとわかりました。

私たちが目指したいのは、
部位ごとの個性が調理の工夫で引き立つ肉割烹。
希少性や高級志向ではなく、
一皿ごとに「こういう食べ方があるんだ」と発見や驚きを感じていただける料理です。
いろいろなお店を学ぶ中で、
最終的に自分たちでゼロからつくる必要があるという結論にいたりました。
ここから、鎌倉 三河屋本店の肉割烹の開発が本格的に始まります。

 

メニュー作りのはじまり
まずは肉割烹のイメージを固める

方向性が定まり、本格的にメニュー開発をスタート。
和食、フレンチ、中華、イタリアン。
幅広いジャンルの書籍やレストランを調べ、アイデアの土台をつくるところからはじめました。

検討段階で掲げたテーマは、大きく4つです。
・お肉の部位ごとの特性が生きる調理方法
・鎌倉野菜をはじめ、鎌倉や湘南の食材や日本の調味料を取り入れること
・和食に寄り切らず、フレンチの華やかさも併せ持つこと
・最後までお肉を美味しく楽しめる、もたれにくい構成にすること

それを踏まえて、料理イメージをまとめた手書きのメモをもとに、料理人たちと共有し、議論を重ねながら試作へ。
まずは鎌倉 三河屋本店の肉割烹の“イメージ”となる料理を作り、ホームページに掲載する写真撮影を行いました。

料理イメージをまとめた手書きのメモ

 

料理撮影をしているイメージ

 

お肉と和出汁を合わせた一皿

 

前菜の料理イメージ①

 

前菜の料理イメージ②

 

器の開発をしに、長崎へ
オリジナルの器を開発するために

料理の方向性が固まったあと、器作りに移りました。
盛り付ける器は、料理と同じくらい大切な要素。
どの器に盛り付けるかで、料理の見え方や印象が大きく変わります。

「鎌倉 三河屋本店の肉割烹には、洸琳窯さんの器を使いたい。」
明確なこだわりが宮腰にありました。
洸琳窯さんは長崎でつくられる波佐見焼の窯元。

これまで訪れた旅館や料亭の中で、
「ここは素敵」と感じた場所の多くが、洸琳窯さんの器を使っていました。
装飾は控えめでありながら、不思議と印象に深く残り、料理を引き立て、上質。
鎌倉 三河屋本店のコンセプトにマッチすると、以前から考えていたようです。

まず宮腰が洸琳窯さんを訪ね、鎌倉 三河屋本店としての考え方と器のイメージをお伝えしました。
その後、試作品が完成したタイミングで、スタッフ全員で工房を訪問。
実物を手に取り、形や厚み、色を確認しました。
前菜用には、八寸の構成が映える大きめの平皿を依頼。
メインのお肉の皿には、洸琳窯さんの個性が引き立つ存在感のある柄を選びました。
現在も最終調整の段階にあり、12月に再び伺い、細部を決めていく予定です。

洸琳窯さんの店舗に伺いイメージに近い器を探す宮腰

 

イメージに近い器を元に洸琳窯の社長さんと打ち合わせ

 

鎌倉 三河屋本店の料理イメージを伝える宮腰と洸琳窯の社長さん

 

イメージに近い器を元に、細かなサイズ感の調整を

 

社員を連れて洸琳窯の工房へ

 

用意していただいたサンプルを社員に見せている様子

 

工房の職人さんの手作業の様子に感動するスタッフ

 

洸琳窯で見つけた個性が生きた器のデザインを発見。これをお肉のお皿の柄に

 

メニュー内容の決定
鎌倉 三河屋本店の肉割烹が完成

器のイメージができ上がったことで、
いよいよ実際にお客様へご提供するメニューの検討へ進みました。
 
まずは開宴直後にお出しする前菜です。
鎌倉野菜の美味しさと、鎌倉 三河屋本店の肉割烹が大切にする
「さまざまな部位を、さまざまな調理方法で召し上がっていただく」という考え方。
この2つを一皿の中で表現したいと考えました。
四季の魅力を感じられる構成にし、
鎌倉 三河屋本店の肉割烹のコンセプトを感じていただける、華やかな一皿になるように。

 
 
次に、牛タンを使った一皿。
牛タンの中でも特に柔らかくて美味しいタン元やタン中を使い、焼肉とは違う形で牛タンの魅力が伝わる料理をご提供したい。
年配の方でも負担が少なく、最後まで美味しいと感じていただける仕立てにすることを意識しました。

試作を重ねる中で、スタッフ全員が
「これは鎌倉 三河屋本店のスペシャリテになる」
と感じ、自然と看板の一皿として位置付けられました。
会場見学にお越しいただき、試食を希望された方には、こちらの牛タンをご用意しています。
まずは一口、お召し上がりいただきたい料理です。
 

 

そして、メイン料理となるステーキ。
黒毛和牛。柔らかさと質のよい部位を選び、コースの後半でも負担がなく、最後まで美味しく召し上がっていただけるように。
肉割烹のクライマックスにふさわしい一皿。
ここをテーマに進めていきました。

ですが、このステーキが最も難しい開発でした。

鎌倉野菜のローストを添え、シンプルに仕上げる
→ バランスはよいが、肉割烹の主役となる一皿としては、もう一歩足りない。

燻製の香りを加え、香ばしさを出す案
→ 館内はIH仕様のため、火を扱った燻製や薪料理は現実的に難しい。

塩と山葵でシンプルに味わう案
→ 上質な脂が強すぎて、山葵だけではこのお肉を生かすには工夫が必要。

何度も試作し、料理人と意見を交わしながら、
ようやく、鎌倉 三河屋本店らしいステーキの形に辿り着きました。

最後までさっぱりと、美味しく食べることができ、
試食の場で「これは面白い」「ぜひ召し上がっていただきたい」と声が揃った一皿になりました。

 
 
これらの料理については、会場見学の際に詳しくご案内しています。
一口ずつではありますが、試食もご用意しております。
(ステーキは現在の準備会場では提供が難しく、来年に掲載予定の試食会でのご案内を予定しています)

鎌倉 三河屋本店で結婚式をご検討の方は、ぜひブライダルフェアにご予約ください。
皆様のお越しをお待ちしています。