【石の蔵完成】100年の歴史を紡ぐ酒蔵を新たな誓いの場として

こんにちは、鎌倉 三河屋本店の鈴木です。

2026年5月7日のグランドオープンに向け、建物の工事が無事に完了しました。現在は家具の搬入や備品の準備、スタッフ間のオペレーション確認など、開業に向けた総仕上げの段階に入っています。

先日は、ご成約いただいた新郎新婦様や地域の方々をお招きし、一足早く内覧会・完成披露会を開催いたしました。皆様に完成した「鎌倉 三河屋本店」をお披露目できたこと、そして何より、大変喜んでいただけたことを心より嬉しく思っております。

地域の方々からは、
「この場所を残してくれてありがとう」
「自分たちでは残すことができなかったから、本当にすごいことです」
「8年間頑張ってこられたことに敬意を表します」
といった、胸が熱くなるようなお言葉を多数いただきました。

前回のブログでは完成した「お庭」をご紹介させていただきましたが、本日は、鎌倉 三河屋本店にとって最も大切な空間である「酒蔵」の仕上がりを、ブログをご覧の皆様にご案内させていただきます。

お庭のご紹介ブログはこちら ⇒【日本庭園完成】井戸からの湧き水が「人生の流れ」を描く。自然と調和するやすらぎの空間

 

三河屋本店の酒蔵

昭和2年に建造された独立型の蔵です。鎌倉石を用いた石積みと、白い漆喰が塗られた造りで、昭和初期の商店文化を今に伝える貴重な場所として、国の登録有形文化財に指定されています。
元々は内部が3つの部屋に分かれており、お酒、ビール、醤油や味噌などがそれぞれの部屋で大切に保管されていました。若宮大路から蔵までは約20mに及ぶトロッコレールが敷かれており、そのトロッコは今回の工事直前まで現役で活躍していました。

外側見た酒蔵。外観の漆喰は100年の時を経たとは思えないほど美しく、紅葉と出窓が蔵の佇まいをさらに引き立てます

 

石の蔵のご紹介

蔵の内部では、現在では流通していない鎌倉石の石積みや、柱・梁、そして土壁を最大限に残しました。「新しく綺麗な蔵」ではなく、「100年の歴史の中で経年変化してきた蔵そのもの」を表現したいという想いから、どこまで原型を留めるべきかを検討しながらデザインを進めました。

正面と右側の壁は、100年前の当時の姿をそのまま残しています。一方、左側の壁は外の竹藪と隣接しており、長年の自然の移ろいとともに変化していたため、今回の改修に合わせて新たな木材を用いて丁寧に修復しました。

 

右側の壁は、柱や土壁、蔵の戸を補修し、当時の姿をそのまま残しています。

 

新しく改修が必要だった左側の壁については、小田原城の天守閣の内装を手掛けた左官屋さんや、お寺の修復も行うことができる大工さんにより、100年前と同じ伝統工法で改修していただきました。

 

胸熱ストーリーのご紹介

実は、この左側の壁の改修は、工事途中でほとんどの構造材が使用できないことが判明しました。天井を外し、すべての壁を全面的にやり替えるという大工事になりかねない危機に直面したのです。
その窮地を救ってくれたのが、お寺の改修も手掛けることができる大工さんからの提案でした。天井をジャッキなどで支え、そのわずかな隙間から新しい木を組み込む工法を用いることで、他の壁には手を加えず、左側の壁だけを改修することが可能になりました。この工法のおかげで、すべての壁をやり直すことなく、100年の経年変化が刻まれた蔵の景観を維持することができたのです。
さらに、当時の古い木材と、新しく補う木材とを「仕口(しぐち)」と呼ばれる伝統工法でつなぎ合わせることで、可能な限り元の姿を引き継ぐことが叶いました。
この大変な工事を「三河屋本店の歴史を繋ぎたい」と快く引き受けてくださった職人の皆様のおかげで、この貴重な姿を今に残すことができました。

蔵工事のご紹介はこちら⇒【国の有形文化財】蔵工事のハイライト~職人たちの工夫と技術

左側が新しい木材。右側が古い木材。伝統工法の仕口を用いて繋ぎ合わせています。

 

アンティークガラス

正面の土壁の美しさを際立たせるため、アンティーク調のガラスを特注で製作し、配置しました。空気の入り方、透明度、雑味感など、土壁の引き立て役として最適なバランスを追求し、何度もサンプルを取り寄せてデザインを決定しました。
ガラスを固定するアイアンには、「黒さび転換」という、アイアンを錆びさせながら錆の進行を止める技術を採用し、石の蔵の意匠として取り入れました。

 

空気の入り方を調整した曇りガラスや波打つ表面が特徴です。下からの間接照明がガラスを通して土壁を柔らかく照らします。

 

シャンデリア

洋装にも和装にも映えるこの石の蔵の中心には、オリジナルで製作した木のシャンデリアが位置付けられています。これは、鎌倉 三河屋本店の総けやきで建てられたエントランスの質感を、蔵の空間にも表現するためにデザインしました。
どの位置からでもシャンデリアが姿を見せ、おふたりの誓いの場に華やかな彩りを添えます。

 

山形緞通の絨毯

石の蔵の真ん中に敷かれているのは、山形緞通さんに特別に製作をお願いしたの絨毯です。皇居新宮殿や歌舞伎座などにも納品実績がある山形緞通さんの絨毯は、ハンドタフティングという工具を用いた手作業で、デザイン企画から合わせて2年半もの製作期間をかけて完成しました。
入り口から続く雲のような模様は、これまでたくさんの人との出会いや様々な経験を経て夫婦となっていくおふたりの人生を表しています。そして、一生添い遂げると言われるつがいの鶴が未来へ羽ばたいていく様子をデザインに取り入れ、おふたりの門出への願いが込められています。

絨毯製作の裏側はこちら⇒鎌倉 三河屋本店の象徴となるメイン絨毯。手仕事「山形緞通」制作の裏側

当初はペルシャ絨毯を取り寄せることを検討。そのデザインにインスパイアされ、縁取りのデザインにいかされています。

 

一生添い遂げると言われるつがいの鶴が飛び立つ様子をデザインしました。

 

蔵のベンチ椅子

石積みの蔵の空間が重たくなりすぎないよう、木を用いたベンチ椅子をデザインしました。蔵の美しい空間を邪魔しないようあえて背もたれは設けず、シンプルでスマートな形状に仕上げています。
座面にはグレージュの本革を使用。ゲストの皆様が心地よく新郎新婦のおふたりの門出を見守っていただけるよう、座り心地にも配慮しました。

ベンチ椅子の工場視察⇒タイ・バンコクの工場視察。「椅子とテーブル」の制作の裏側とデザインのこだわり

 

四季折々の枝もの

石の蔵の前方には、対となるようにアレンジメントが施されます。春は桜、夏はドウダンツツジ、秋はモミジなど、月ごとに移ろう四季折々の枝ものが、おふたりの門出を華やかに彩ります。

桜の枝ものを飾った石の蔵。

 

石の蔵のご紹介はいかがでしたでしょうか。
100年の歴史とこれからご夫婦となるおふたりへの願いが詰まった石の蔵の魅力が、少しでも皆様に伝わりましたら幸いです。

現在、鎌倉 三河屋本店ではブライダルフェアを随時開催しております。
特に5月4日には、実際の挙式の雰囲気を体感していただける「模擬挙式フェア」も予定しております。その他の日程でも様々なフェアを開催しておりますので、鎌倉 三河屋本店でのウェディングにご興味をお持ちの方は、ぜひお早めにご予約くださいませ。
ブライダルフェアのご案内⇒鎌倉 三河屋本店のブライダルフェア

また、5月18日からは併設のレストランもいよいよオープンいたします。
レストランへお食事にお越しいただいたお客様の中で、ウェディングや施設にご興味をお持ちの方に向けて、館内のご案内ツアーも予定しております。美味しいお食事とともに、新しく生まれ変わった三河屋本店の空間をぜひお楽しみください。

皆様にお会いできる日を、スタッフ一同心より楽しみにお待ち申し上げております。