こんにちは。三河屋本店の水間です。
三河屋本店では2026年5月のグランドオープンに向けて、結婚式のご予約が増え、先日ご成約者様におこしいただいてのオリエンテーションを行いました。
そしていよいよ9月から衣装打合せがスタートします。
衣装選びは、多くの花嫁様が楽しみにされている結婚式準備ではないでしょうか。
このブログでは、会場決定後の衣装選びの進め方、ポイントをお伝えできればと思います。
衣装選びがより楽しみになり、晴れの日に相応しい衣装と出会えるきっかけにしていただけたら幸いです。
<<目次>>
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-1.専属衣装店 Authentic鎌倉-
三河屋本店の衣装パートナーは「Authentic(オーセンティック)鎌倉」。
姉妹店である萬屋本店オープン時に、萬屋本店専属衣装店として鎌倉に出店していただきました。
今回、三河屋本店のグランドオープンに合わせて新たに衣装を追加し、ラインナップを増やしてご用意いたします。
通常ウェディング業界では、衣装店のバイヤーさんが衣装ブランドのブランディングに合わせて衣装を買い付けます。提携式場のブランディングに合わせた買付ではなく、衣装ブランドに合わせた買付なのです。
その点、Authentic鎌倉店は萬屋本店の専属店舗として出店いただいたので、萬屋本店のお客様の為だけに買付をしました。
一般的に衣装の買い付けにウェディングプランナーが同行することはないのですが、萬屋本店、三河屋本店では、オーセンティックのバイヤーさんの買付に同行し、商品選びを行わせていただいております。
専属店の強みを生かし、式場の雰囲気や世界観と調和するものをセレクトし、良いと思える衣装を責任を持って取り揃えることができるのは専属店ならではの強みなのです。
衣装コーディネーターも、三河屋本店が新郎新婦様にご案内している内容や、お客様にお届けしたい想いに共感共鳴してくださる方ばかり。日頃から結婚式本番の衣装の最終チェックに必ず来てくださったり、来れる限り結婚式当日のお支度や現場を見に駆けつけてくださいます。
衣装買い付けに同行できない時でも、『このドレスは三河屋本店のお客様にいかがですか?』と、写真を送ってくださったり。常に想いを寄せて品揃えをして下さるかけがえのないパートナーです。
-2.花嫁衣装の種類と意味合い–
花嫁衣装はいくつか種類があり、それぞれに由来と意味があります。
その背景を知ると「こんな意味があるならこの衣装を着たい」
「結婚式のテーマから考える都この衣装が合っているかもしれない」というように、
見た目の印象だけでなく、衣装そのものの成り立ちや柄行に込められた意味を知っていただくことで、衣装選びにもより奥行きと楽しみが出てこられることと思います。
衣装を3着は着たい!という花嫁様もいれば、気に入った衣装を一日長く着用したい。とお考えの方もいます。ご自身のお考えや結婚式で叶えたいこと、結婚式の規模等も踏まえてご検討いただけますと幸いです。
□白無垢

武家の女性の衣装として用いられた打掛、そのすべてを白で揃えたものが白無垢です。
和装の婚礼衣装の中で最も格式の高い正礼装です。
白には「嫁いだ先の家風に染まる」という意味もあり、これから新しい家にお嫁に入る挙式の衣装にふさわしいとされています。
□色打掛
華やかな色と日本の伝統の技が織りなす色打掛は、お色直しの語源ともなった衣装です。
昔は結婚式から三日間白無垢を着用し、四日目から色打掛を着ることで、『嫁ぎ先の家の色に染まる』という意味が合ったそうです。
現在では、挙式を白無垢で過ごし、披露宴から色打掛で過ごされる方が多くいらっしゃいます。
□引き振袖
昭和初期まで、広く花嫁衣装として用いられていたのは未婚女性の正装である振袖でした。
黒振袖を花嫁衣装として誂えて、嫁いだ後はその袖を短くし、留袖にしました。
帯をはじめとする小物類との組み合わせによって自分らしい着こなしを楽しめます。
挙式、披露宴の両方でお召しいただけます。
□ウェディングドレス
元々はローマ帝国の時代に、王侯貴族の花嫁が婚姻儀礼用に着用した衣装がウェディングドレスの始まりで、英国ヴィクトリア女王のご婚礼を機に、白が定番となりました。
洋装人前式やキリスト教式の場合は挙式から着用し、披露宴中もウェディングドレスで過ごすことが出来ます。
□カラードレス
カラードレスの着用は、主に中世ヨーロッパのウェディングドレスの始まりとともに見られます。当時のウェディングドレスは、王族や貴族が教会の結婚式で着用する儀礼用の衣装で、花嫁の実家の地位や財産を示す目的があったため、非常に豪華なものが主流でした。
現在で欧米のカクテルパーティー等で着用されること一般的なため、結婚式で着るのは主に東アジア圏と言われており、欧米ではウェディングドレスが主流です。日本では披露宴のお色直し後に着用されるこのが多い衣装です。
-3.衣装見学のポイント-
衣装見学は初めてのことなのでご不安もあるかと思います。
衣装見学がより楽しく充実して進み、おふたりの晴れの日に相応しい衣装が見つかるためのポイントをご紹介します。
①おふたりの結婚式の目的から考える
「結婚式を挙げる目的」
このことがお衣装選びにおいては一番大切かもしれません。好きな色味でもデザインでもなく、結婚式を挙げる目的から考えることです。
萬屋本店で結婚式を挙げられる皆様は、会場見学の際に、「なぜ結婚式を挙げますか?」
そんな話をプランナーとさせていただきたいと思います。
「感謝の気持ちを伝えたい」
「家族に安心してもらえる時間にしたい」
「お相手をご紹介する機会にしたい」
「思い出作り、花嫁姿をカタチに残したい」等々。
結婚式を挙げる理由や目的はそれぞれだと思います。
その理由や目的によって、衣装の選び方も変わってくるもの。
それは結婚式の目的によって、当日の進行内容や過ごし方が異なる場合が多いからです。
例えば、「感謝の気持ちを伝えたい」が結婚式で一番叶えたいことだとしたら、披露宴の中で直接感謝を伝える機会を設けることがあります。
その場合、ボリューム感のあるドレスや重たい色打掛をお召しになると、花嫁様が歩きづらい、自由に動きづらくなってしまうので、軽やかなドレスや、動きやすい引き振袖の方がおすすめです。こんな風に結婚式で叶えたい目的から衣装を考えることができるのです。
結婚式を挙げる理由や、晴れ姿を一番見せたいのはどなたか?なども併せて考えていただけると、プランナーから提案できることも増えるので、是非お考えをお聞かせください。
②ゲストのお顔触れを考慮する
お呼びするゲストのお顔触れによってもお衣装を考えることが出来ます。
ゲストのお顔触れにより、おふたりが「どう見られたいか」も変わってくると思います。
例えばご親族様だけでの結婚式と、ご友人様中心の結婚式で考えてみます。
ご親族様だけでの結婚式であれば、「相手のご親族様に失礼に当たらないようにや、上品に見られたい」などと考える方も多いかと思います。
ご友人中心のご結婚式でしたら、「明るい雰囲気や、自分らしさを表現したい」などと考える方が変わってくるかと思います。
同じお着物であっても、小物を変えるだけで雰囲気が変わりますので、衣装見学前に、ご招待されたい方をリストアップすると、イメージがつきやすいかと思います。
③理想のイメージを集める
普段着ている洋服と花嫁衣装では着た時のイメージが大きく変わります。そのため、事前にいろいろなイメージを集め、こんな衣装が着てみたいという理想のイメージを集めることがおすすめです。
HPで気になった衣装や、Instagramで見た写真やコーディネートイメージなど、なんでも結構です。
いろいろな情報が頭に入ってくると、自然と着てみたい衣装が出てくるものです。
このイメージ写真集めは、ヘアメイクリハーサルや会場装花のお打合せでも、全体のコーディネートを合わせていくときにも有効です。
衣装合わせに向けて、オーセンティックのスタッフよりご挨拶と試着日について連絡をさせていただいています。気になるお衣装やイメージを事前にお伝えいただけますと、その衣装を手配して当日をお迎えできます。
④コーディネーターやプランナーになんでも相談
衣装コーディネーターはもちろんですが、プランナーにもぜひご相談ください。
会場見学の際から、おふたりのことやどんな結婚式を創っていきたいかなどを伺っていますので、
「この衣装にはこんな意味合いがあるから、おふたりにぴったりだと思う」
「お顔立ちや雰囲気から、このお着物をぜひ着てほしい」
そんなイメージを想像しながらご案内させていただきます。
衣装合わせの前には、プランナーとオーセンティックのコーディネーターでお客様共有ミーティングをさせていただいております。
おふたりのお人柄、式場見学時のご要望、どんな衣装がお似合いになりそうか等。
お客様のことを話し合い、共有しています。
その上で、衣装見学のご準備をしておりますので、是非コーディネーターからの提案も参考にしていただけたら嬉しいです。
試着しているとなんだか気になるけど、スタッフの方に申し訳ないから言わないでおこう。とお気遣いくださったり、自分だけがそう感じているのかも?と思われたり、体型のことだから言いずらい。。。等、伏せてしまうこともあると思います。
そんなときこそ、どんな小さいことでもコーディネーターやプランナーにご相談ください。
おふたりのお気持ちに寄り添うことができるのが私たちの喜びであり、きっとよりよい解決策が見つかるはずです。
-4.おすすめのお衣装のご紹介-
三河屋本店では厳選されたお衣装をご用意させて頂いております。今回の行脚でセレクトしてきた着物の一部をご紹介させていただきます。
色打掛「松鶴吉祥図(ショカクキッショウズ)」

大胆な松のシルエットに、群れ遊ぶ瑞鳥の鶴を配した手描き友禅の逸品。
背景の大松のシルエットは濡れ描きという染めの技法を用いて、はんなりとした柔らかさを表現しています。
色打掛「雲取りに鶴(くもどりにつる)」
皇室に着物を献上もしている作家として有名な藤井寛氏の作品。
雲取りの柄を主に、羽ばたく姿が美しい鶴を配置したデザインです。
雲取りの中には、菱や立涌の柄が施され、全体の柄行が華やかな印象です。
引き振袖「菊の模様に紫陽花(キクノモヨウニアジサイ)」

鎌倉の地でよくみられる紫陽花。
その華々しく咲き誇る紫陽花を様々な絞りの技法で表しました。
白く浮き立つ中帽子絞りは、風にそよぐ紫陽花の動きと香りまで感じ取れるようです。
色打掛「群鶴王朝優美文(グンカクオウチョウユウビモン)」
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御所車や檜扇、幔幕など、王朝の趣に溢れた意匠を細やかな友禅であしらいました。
更に卓越した技術による手刺繍を全面にほどこし、この上なく格調高い華やぎに満ちた一着です。
色打掛「大椿流水(だいちんりゅうすい)」
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元禄時代の小袖をモチーフに、その大胆さをそのままに善王寺織*¹でふっくらと格調高く織り上げた総絵羽の色打掛。椿は平安時代より正月行事に用いる悪霊を払う卯杖(うづえ)*²の材料であり、聖なる木として尊ばれてきました。しっとりとした黒地に白や紅、金の椿が鮮やかに浮かび、金箔を用い、疋田で描かれた流水とあわせこの上なく格調高く華 や か な 印 象 に 。
5.【番外編】衣装の開発秘話
□和装編
姉妹店の萬屋本店開業時、全国の呉服店が出店する着物展示会に足を運びました。とても広いホールに何万着もの着物が所狭しと並ぶ展示場を巡り、着物を探しました。しかし大規模な展示会に出品される着物は、《売れるデザイン、流行りのデザイン、今年の流行》と銘打ったものばかり。心から惚れ込むような着物、お客様の一生に一度の晴れ舞台に相応しい着物を探していた私達にとって、心ときめく出会いが中々ありませんでした。
『良いと思える着物が今作られていないなら、日本全国の衣装店を行脚して探そう!』という発想のもと、新しい着物を購入するという発想ではなく、今ある着物の中からお宝さがしを使用!と、全国行脚を行いました。その時の様子はこちらのリンクからご覧いただけます。



□ウェディングドレス編
着物探し行脚の時に、同時並行でウェディングドレス探しも行いました。その時にセレクトしたドレスを店舗にご用意しております。今後の展開としては三河屋本店のオープン時期に向けて三河屋本店オリジナルデザインドレスの開発を行う予定です。こちらは9月から打合せを開始し、12月にドレス工房でトワールチェック、春入荷予定で進めております。また、三河屋本店の花嫁様にオススメしたいブランド『ロサ・クララ』の大規模な展示会が26年4月にバルセロナで行われるそうで、そこでの買い付けも予定しております。今あるドレスも、これから買付けていくドレスも、どんな出会いがあるか楽しみにご試着にお越しいただければ幸いです。



以上、衣装選びの進め方とポイントについて、そして衣装が店頭に並ぶまでのストーリーをご紹介させていただきました。
こちらのブログが少しでも衣装見学のお役に立ち、晴れの日に相応しい衣装が見つかることを願っています。どの衣装も本当に素敵なものばかりです。ぜひ衣装合わせの時間を楽しんでいただけたら幸いです。