日本酒の選定 大正時代から取引のある酒蔵とのご縁

こんにちは、鎌倉 三河屋本店の鈴木です。
鎌倉 三河屋本店のオープンに向けて、お客様にご提供する日本酒の選定を進めてまいりました。満場一致の試飲を経て、鎌倉 三河屋本店でお出しする日本酒が決まりましたので本日のブログでご紹介させていただきます。

お取り扱いが決まったのは、1751年創業の老舗蔵元「安福又四郎商店」が、神戸・灘五郷の御影の地で手仕込みで醸す地酒「大黒正宗」です。
実はこの大黒正宗を造る安福又四郎商店と、酒屋時代の三河屋本店には、大正時代から続くご縁があります。
 

大黒會と大黒政宗清遊団。大正時代からのお付き合い

三河屋本店と安福又四郎商店のお付き合いは古く、大正時代にまで遡ります。
当時、三河屋本店は大黒正宗を取り扱う酒販店のネットワークである大黒會(だいこくかい)に加入しており、大黒會共通の商品券を取り扱うなど、強固なパートナーシップを結んでいました。
そのご縁から、安福又四郎商店が主催する得意先の親睦旅行である「大黒正宗清遊団(せいゆうだん)」にも参加されていました。出雲大社への参拝旅行や、「春洋丸(しゅんようまる)」という豪華な客船でのクルーズに参加した記録が、当時の古い記念写真として大切に保管されていました。

とくに春洋丸の船旅には、初代・竹内福蔵の妻であるかねさんも乗船していました。女性が船旅に出ることがまだまだ珍しかった時代、非常に画期的で華やかな出来事だったと想像できます。

出雲大社へのお参りの記念撮影。大正14年9月10日。

 

春洋丸への乗船の記念撮影。昭和3年4月18日

 

春洋丸内部での記念撮影。一番左側の着物の女性がかねさん

 

また、昭和2年の三河屋本店の建物建造の際には、立派な「安福又四郎吟醸」の木製看板を寄贈していただきました。その重厚な看板は、現在も鎌倉 三河屋本店の建物に大切に掛けられています。
現在の安福又四郎商店の当主のお父様とお祖父様がかつての三河屋本店へご挨拶に足を運んでくださったこともあると、三河屋本店の女将さんから教えていただきました。

鎌倉 三河屋本店に掲げられている大黒政宗の木製看板

 

震災による別れ、そして奇跡の再会

順調に続いていたお取引ですが、1995年の阪神淡路大震災が転機となります。この震災によって安福又四郎商店は被災し、全8棟あった木造蔵が全壊してしまいました。それを機にお取引は一度途絶え、三河屋本店の酒屋時代には大黒正宗をお取り扱いすることができなくなっていました。
そんな中、鎌倉 三河屋本店のオープンに先立ち、安福又四郎商店さんのお酒をお客様に提供できないかと連絡をとることにしました。

安福又四郎商店さんは現在、同じ御影郷の白鶴酒造さんから提案を受け、同酒造内の蔵を共同使用する形で酒造りを続けられていることが分かりました。
営業、企画広報、そして蔵人と杜氏であるご夫妻の4名の社員さんで力を合わせ、ご縁のある先へお酒をお届けしているそうです。

私たちが鎌倉 三河屋本店としての新たな想いとこれまでの歴史をお伝えしたところ、大変快く引き受けてくださり、再び大黒正宗のお酒を供給していただけることになりました。

大黒会の商品券。三河屋本店の貴重な書類の中から出てきました

 

金3円也。どのようなお酒がこの商品券で買えたのか夢が膨らみました

 

左から2番目。三河屋 竹内福蔵の名前がありました。

 

満場一致で選ばれた3つの銘柄

スタッフ全員で早速試飲を行いました。その結果、満場一致で以下の3種類を取り扱うことが決まりました。
特別純米:フリードリンク内に組み込み、皆様にお楽しみいただきます。
吟醸なまざけ:「鏡開き」のお酒として振る舞わせていただきます。
純米大吟醸:三河屋本店と安福又四郎商店の「記念ボトル」として、酒屋とレストランでもご提供予定です。
※特別純米と吟醸なまざけも酒屋でご購入いただけます

料理と引き立て合う食中酒を軸にした酒造りを大切にされている大黒正宗は、鎌倉 三河屋本店の料理とも相性抜群でした。日本酒が苦手なスタッフからも美味しい!と評判のよいお味でした。

左から吟醸生酒。特別純米。純米大吟醸。純米大吟醸は記念ラベルを作成予定です。

 

北条の家紋入りのお猪口で

そして、日本酒を召し上がっていただく酒器ですが、使用するのは、酒屋時代の三河屋本店で実際に使われていた年代物のお猪口です。お猪口の内側の底には北条家の家紋である「三つ鱗(みつうろこ)」が描かれ、裏底には「八幡前 三河屋」の文字が刻まれています。

時を超えて再会した大黒正宗の日本酒を、酒屋時代に使用していたお猪口で味わう。
皆様にお召し上がりいただけたら嬉しいです。